バロック音楽、特にオルガン曲が好きなので、残響音の正確な再現による空間の広がり感が再現できることを大事にしており、NCF技術によるS/N比の改善には、非常に魅力を感じいくつか使わせて頂いております。
残響音の正確な再現には、高域特性を改善できるロジウムメッキも有利で多用した時期も有ったのですが、バイブオルガンを再生する上では、低域の量感が少し痩せる場合があり、NCFとロジウムメッキ以外を組み合わせる方法はないかと思っておりました。
NCF Boosterがそれに当たり、使わせて頂くと、単にS/N比が向上しするだけでなく、音像の定位まで向上し、非常に喜んでおります。NCF Booster-Braceも使ってみたかったのですが、モノラルパワーアンプ用に、FI-12ML(G)を使っており、空間的に無理があり諦めておりました。
NCF Booster-Brace-Singleは、SACDプレーヤーの電源プラグに装着しました。SACDプレーヤーのデジタルボリュームや入力切替も使っているので、実質上は、プリアンプ機能も持たせています。
元々はSACDブレーヤーに電源タップのインレットに近い側から給電したくて、電源タップの真ん中の列にSACDプレーヤーの電源プラグを挿していたのですが、バワーアンプのFI-12MLに接触してその位置ではNCF BoosterBrace-Singleが使えなかったので、給電位置を写真のように電源タップのインレットから最も遠い位置に変えました。
SACDプレーヤー本体のインレットブラグにはFI-12L(R)を使っているため、そちらには今回はNCF BoosterBrace-Singleは使えませんでした。そのうち、機会を作って試してみたく思っています。
NCF Booster-Brace-Singleを装着した事によるS/N比の改善で、コントラストや解像度が改善し、空間の見通しが向上したのは、むしろ予想通りでした。
驚いたのは、低音の音階が聞き取りやすくなったこと。気づいたのがパイプオルガンの低域なので、超低域にも及ぶ低域が明確になりました。量感が増えたという感じとは違うのですが、よりクリアに音階が聞き取れるようになり、音楽が明確に聞き取れるようになりました。それとともに、空間の表現能力が向上しました。演奏や録音にもよりますが、より空間が広がり、奥行きが出るようになった録音も有ったし、バッハのバイオリン協奏曲の録音の一つでは、演奏者が個別に分かると思われるくらい、音像がくっきりしました。もっと小編成の演奏ならば以前からある程度、演奏者の定位は分かったのですが、この大編成で、こんな感じが出たのは今回が初めてです。
静けさの中に、演奏者がくっきりと立ち、楽器の音色や音程が力のある低音を伴って明瞭に伝わる。音楽がより楽しめるようになりました。